心の森「樅木さん」
荒れ果てた心の森。
だあれもいないのに、誰かが、見張っている。
こぎんとかなん、ちび山茶花ちゃんは、
どうしたら、心の森の仲間が
戻ってくれるのか、分からなくなりました。
すると、大きな大きなモミの木が、
ゆっくりゆっくり、歩いてきました。
「きゃー」かなんは、子銀にしがみつき
きゃっきゃっと、山茶花さんは、
跳ねて、飛んで、喜びます。
「もみのきぃー」
こぎんは、懐かしい、心の森の住人の姿を見て
涙がこぼれそうになりました。
「コギや、お願いがあるんだ」
低い、よく響く声でモミの木は、話しました。
「コギや、みんなみんな、いなくなった。
心の森に、冷たい風が吹いたんだ」
みんなはシーンとしました。
風が吹いて、木立を揺らします。
「物忘れの、風だよ。
子銀ままが、忘れようとして、
吹かせた風なんだよ。
幼い心も、
無邪気な夢も、
羽ばたく空想の翼も
みんな、みんな、
忘れちゃったんだ」
「どうしてよ」
無邪気に、山茶花さんが、聞きました。
モミの木さんは、ため息をつきました。
「人間の社会では、そんなものは、邪魔だからね。
大人は、そんなものは、とうに捨てている。
子銀ままは、そんな社会の中で
自分の心の森を見失ったのさ。
そう、
子銀ままは、吹かせた風に当たりすぎて
風邪ひきになったんだ」
子銀は、心配そうに、声を震わせました。
「どうしたら、ままの風邪ひきは治る?」
「思い出しの実」
モミの木さんは、葉っぱのコートの中から
小さなきんちゃく袋を出しました。
「この、実を食べさせるんだよ」
「ままに?」と、子銀。
モミの木は、首をゆさゆさと、左右に振りました。
「人間は、食べることはできない。
食べたら、いろんなことを思い出しすぎて
心が、破裂してしまうからね」
「じゃあ、だ、れ、に?」
もう、退屈になった、
山茶花さんがイライラして尋ねました。
「この、世界のどこかに隠れてしまった
迷子の、迷子の、仲間たちにさ。
きっと、きっと、
この、
心の森に戻ってくる」
子銀は、そのきんちゃく袋を受け取りました。
「いやーよ」
かなんが,しがみついたまま、言いました。
「私は、心の森なんて知らないわ。
こんな、さみしい場所には
いたくないもーーん」
それもそのはず。
かなんは、心の森なんて知らないものね。
「帰る!帰る!」
かなんは、駄々こねこね。
さあ、困ったぞ。
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さてはて、ここで、絵が描けなくなりました。
私は、心の森を見失ったのです。
どうなることやら。
無理しない、考え込まない。
どうしようもない。



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